禁煙外来

 

自力で禁煙に挑戦したがうまくいかなかった方、家族や職場のために禁煙を考えている方、健康のためにタバコをやめたい方。ニコチン依存症は、意志の力だけで克服するのが難しい病気です。

禁煙の離脱症状は、禁煙開始から2~3日をピークに10日から2週間程度続きます。つらいと思われがちの離脱症状も禁煙補助薬を用いることで緩和され、比較的楽に禁煙できるようになりました。

 

ニコチネルTTSは、皮膚に貼るタイプの禁煙補助薬で、有効成分「ニコチン」を持続的に体内へ供給することで、禁煙時の離脱症状(イライラ・集中困難など)を緩和する医療用医薬品です。

 

次の方には処方できません。

・妊婦又は妊娠している可能性のある女性、授乳婦

・不安定狭心症、急性期の心筋梗塞(発症後3ヵ月以内)、重篤な不整脈のある方又は経皮的冠動脈形成術直後、冠動脈バイパス術直後の方

・脳血管障害回復初期の方

 

ほかに一般用医薬品としてニコチンガムとニコチンパッチが薬局・薬店で市販されています。一般用医薬品のニコチンパッチは、医療用医薬品のニコチンパッチと比べて用量が少なく、喫煙本数が多い人ではニコチンの補充が不十分となる可能性があります。

禁煙外来で処方されるニコチンパッチの場合、一般用医薬品のニコチンガムを追加することができます

 

保険診療の条件

①TDSスコア5点以上

②ブリンクマン指数200以上(35歳以上)

③禁煙治療に文書で同意

④過去1年以内に禁煙治療を受けていない

 

 

①ニコチン依存症のスクリーニングテスト「TDS」

このテストは、下記の10項目の質問で構成されています。「はい」を1点、「いいえ」を0点とし、合計得点を計算します。TDSスコア(0~10点)が5点以上をニコチン依存症と診断します。

問1. 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。

問2. 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。

問3. 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。

問4. 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。(イライラ、神経質、落ちつかない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)

問5. 問4でうかがった症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。

問6. 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。

問7. タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。

問8. タバコのために自分に精神的問題(注)が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。

問9. 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。

問10. タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。

(注)禁煙や本数を減らした時に出現する離脱症状(いわゆる禁断症状)ではなく、喫煙することによって神経質になったり、不安や抑うつなどの症状が出現している状態。

 

②ブリンクマン指数200以上の方

35歳以上の方について、ブリンクマン指数(=1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上の方。

 

③禁煙治療に同意している方

ただちに禁煙することを希望し、「禁煙治療のための標準手順書」に則った禁煙治療について説明を受け、当該治療を受けることを文書により同意している方。

 

禁煙治療は、保険診療の場合「初回診察+4回の再診、計5回の通院」が必要です。標準的な通院スケジュールは以下の通りです。

ニコチネルTTS以外に、医師が処方し健康保険が使える禁煙補助薬にチャンピックス(一般名バレニクリン)があります。

ニコチンを含まない飲み薬で、禁煙によるニコチン切れ症状を軽くし、また禁煙中に一服してしまったときタバコをおいしいと感じにくくすることで禁煙を助けます。

 

1~3日目は0.5㎎錠を1日1回食後、4~7日目は0.5㎎錠を1日2回朝夕食後、8日目以降は1㎎錠を1日2回朝夕食後、計12週間内服します。禁煙は内服8日目に開始します。自然にタバコを吸わなくなった場合は、8日目を待たず早めに禁煙を始めてください。

計5回の通院はニコチネルTTSと同じです。

 

この治療を受けるにあたり、統合失調症、双極性障害、うつ病等の精神疾患のある方、重度の腎機能障害のある方、血液透析を受けている方は主治医に相談して下さい。当院では妊婦または妊娠している可能性のある方、授乳している方の治療は行っておりません。

 

なおチャンピックスの治療中は、ニコチンを含んだ禁煙補助薬を併用しないでください。

また、めまい、傾眠、意識障害等があらわれ、自動車事故に至った例が報告されていますので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないでください。

 

本剤を服用中に気分が落ち込んだり、強く不安を感じるような症状が現れたら、服用を中止しご相談ください。

 

禁煙のメリット

禁煙をすると、健康面・金銭面のメリットだけでなく、まわりの人も喜びます。

健康面

・血圧が下がる(20分後)

・体内の酸素濃度が上がる(8時間後)

・心臓発作のリスクが低くなる。嗅覚や味覚が回復し始め、食事がおいしくなる(48時間後)

・呼吸が楽になる、肺活量が増える(72時間後)

・循環機能が回復する・肺機能が30%アップする(2週間~3ヶ月後)

・咳・息切れが改善する。疲れにくくなる。気道感染を起こしにくくなる(半年後)

・狭心症・心筋梗塞のリスクが低くなる(1年後)

・肺がんのリスクが半減する(10年後)

・心臓病により死亡するリスクが非喫煙者と同等になる(15年後)

 

金銭面

習慣的にタバコを1日1箱すっている人は、たばこ代が次のように莫大な金額になります。禁煙すると、その分節約できます。1箱500円のタバコを1日1箱吸っていた人が禁煙すると・・・

・1ヶ月で15,000円

・3ヶ月で45,000円

・6ヶ月で90,000円

・1年で8万円

・5年で91万円

・10年で182万円

・30年で547万円(すべて概算値)