Internal medicine
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高血圧の基準値は、診察室で上の血圧が140mmHg以上、または下の血圧が90mmHg以上です。家庭で上の血圧が135mmHg以上、または下の血圧が85mmHg以上です。降圧目標は、診察室130/80mmHg未満、家庭125/75mmHg未満です。(症候性低血圧や電解質異常などの有害事象が生じないように気をつけて)
また高血圧管理・治療ガイドライン2025では、生活習慣の改善を始めても十分な降圧がなければ,生活習慣改善を強化しつつ,1か月以内に薬物治療を導入するよう示されています。
高血圧かどうか健康診断での血圧測定以外に、家庭で血圧測定することが必要です。高血圧と診断され治療を受けておられる場合も、血圧が適切にコントロールされているかどうか、家庭で確認することが必要です。特に「早朝高血圧」(起床後1時間以内に測定した朝の血圧が高い状態)は脳卒中や心筋梗塞などの重大な脳心血管疾患のリスクと強く関連しており、要注意です。
家庭血圧の正しいはかり方
日本高血圧学会が公表した「高血圧の10のファクト」(高血圧の10 のファクト~国民の皆さんへ~|日本高血圧学会)は、高血圧の原因や予防、治療に関する重要な知識を10項目に整理したもので、高血圧を早期に発見し、重症化を防ぐための指針といえます。
日本人の高血圧の約8~9割が本態性高血圧で、遺伝的素因(体質)や食塩の過剰摂取、肥満などさまざまな要因が組み合わさって起こります。これに対し、二次性高血圧は、甲状腺や副腎、睡眠時無呼吸症候群、血管の病気などが原因で高血圧を起こすものをいいます。原因を明らかにしてそれを取り除くことができれば、血圧の正常化が期待できます。一般に、二次性高血圧は、本態性高血圧とくらべると若い人に多くみられます。
高血圧は、ほとんどの人で自覚症状がないにもかかわらず、脳や心臓の血管が動脈硬化を起こし、腎臓のはたらきが悪くなることもある病気です。わが国で年間10万人以上の方が、高血圧が原因で亡くなっています。早朝の頭痛、夜の頻尿や呼吸困難、めまいやふらつき、下肢冷感(足の冷えを感じる)などの症状を認めるときは、高血圧によって臓器がいたみはじめている(合併症)可能性もあります。症状がないからといって、高血圧を放置すると、突然、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気になることがあるほか、徐々に腎機能が低下して透析になってしまうこともありますので、早めに「かかりつけ医」に相談しましょう。
生活習慣を修正することは高血圧の予防や改善につながります。薬を始めた後でも、これらの生活習慣の修正は有効で、うまくいくと薬の量を減らすのに役立つ場合があります。
塩分を減らす
野菜と果物を多く摂る
食塩摂取の目標は1日6g未満です。少しずつ摂取量を落としましょう。子供のころから食塩摂取量を少なくしておけば、加齢による血圧上昇が抑えられ、高血圧になる危険性を低くすることができます。
野菜や果物、大豆製品に豊富に含まれるカリウムには腎臓から食塩を排泄しやすくする働きがあります。(ただし、腎臓の病気がある人はカリウム摂取の制限が必要な場合があります。)また、カルシウムにも血圧を安定させる効果があります。カルシウムは、牛乳や乳製品から摂取すると、より吸収率が高いことが知られています。これらを組み合わせ、無理のない減塩を長く心がけることが高血圧予防につながります。
ほかに飽和脂肪酸、食事性コレステロールの摂取を控え、多価不飽和脂肪酸を積極的に摂取することを推奨されています。
体重を減らす
体重(kg)を身長(m)の2乗で割って算出する体格指数BMIの正常範囲は18.5~25(kg/m2)で、肥満者はBMI 25.0未満を目指して減量をします。肥満の原因は過食と運動不足なので、減量のためには摂取エネルギーを抑え、併せて運動も行います。急激に体重を落とすと、体調不良や達成後のリバウンドの原因となりますので、時間をかけて減量することが大切です。
お酒を控える
アルコールを飲んだすぐ後は血圧が下がりますが、継続して一定量以上を飲むと高血圧の原因になります。アルコール自体の量で男性20~30mL/日以下、女性10~20mL/日以下に控えて下さい。
適度な運動をする
高血圧をはじめとする生活習慣病の予防や治療には, 速歩・ステップ運動・スロージョギング・ランニングのような有酸素・持久性・動的運動が推奨されています。運動の強さも、ややきつい程度にとどめます。あまりきつい運動をすると血圧が運動中に上がる可能性があり、高血圧のある人にはすすめられません。時間は毎日30分以上、または週180分以上が目安です。
禁煙をする
間接喫煙(受動喫煙)を避ける
長年たばこを吸っていても、禁煙するのに遅すぎることはありません。禁煙は病気の有無を問わず健康改善効果が期待できるので、病気を持った方が禁煙することも大切です。
ニコチン依存のある人が禁煙をすると、吸いたい(喫煙への渇望)、集中できない、イライラする、怒りっぽくなる、眠気が強いなど、さまざまな離脱症状(禁断症状)が現れますが、ニコチンガム、ニコチンパッチといった禁煙補助薬を使うことにより、不快な症状を和らげ、禁煙しやすくなります。禁煙をすることは自分にも周りの人にもメリットしかありませんので、ぜひチャレンジしてみましょう。
参照・引用先:
e-ヘルスネット 生活習慣病予防 高血圧
日本人の食事摂取基準(2025年版)
高血圧管理・治療ガイドライン2025
日本高血圧学会 家庭血圧測定パンフレット
| 分類 | 診察室血圧 | 家庭血圧 | ||
|---|---|---|---|---|
| 収縮期血圧 | 拡張期血圧 | 収縮期血圧 | 拡張期血圧 | |
| 正常血圧 | <120 かつ <80 | <115 かつ <75 | ||
| 正常高値血圧 | 120-129 かつ <80 | 115-124 かつ <75 | ||
| 高値血圧 | 130-139 かつ/または 80-89 | 125-134 かつ/または 75-84 | ||
| I度高血圧 | 140-159 かつ/または 90-99 | 135-144 かつ/または 85-89 | ||
| II度高血圧 | 160-179 かつ/または 100-109 | 145-159 かつ/または 90-99 | ||
| III度高血圧 | ≧180 かつ/または ≧110 | ≧160 かつ/または ≧100 | ||
←成人における血圧値の分類(mmHg)
肝臓の働き
肝臓の主な働きは以下の通りです
⇒ 食べ過ぎや飲み過ぎ、運動不足により、摂取カロリーが消費量を上回ると、肝臓で過剰な脂肪、糖質や蛋白質から中性脂肪が作られ、脂肪肝となります。
脂肪肝
脂肪肝には、お酒を飲み過ぎた人がなるアルコール性の脂肪肝と、お酒をあまり飲んでいない人がなる非アルコール性の脂肪肝があり、その多くは、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧を伴っていて、メタボリックシンドロームの肝臓病と考えられています。
お酒の飲み過ぎは脂肪肝にとどまらず、肝炎や肝硬変になることがよく知られています。お酒をあまり飲んでいない非アルコール性の脂肪肝の人でも、10~20%の人は徐々に肝臓の病気が悪化して、なかには肝硬変に進行したり、肝がんを発症したりすることもあります。
MASLD
2023年世界各国の肝臓専門医が議論し、脂肪性肝疾患をsteatotic liver disease(SLD)と総称し、過剰飲酒がなく代謝異常が生じている場合を「代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD、マッスルディー)」(従来のNAFLD)としました。
MASLDの定義は、アルコール摂取量男性30g/日、女性20g/日未満で、肥満・血糖・血圧・中性脂肪・HDLコレステロール値に関する5つの心臓代謝危険因子のうち1つ以上を含むことです。(ちなみにビール500mlに含まれるアルコールは20gです)
このMASLDに該当して、かつ肝炎が生じている場合は、「代謝異常関連脂肪肝炎(MASH、マッシュ)」(従来のNASH)となりました。
奈良宣言2023
肝臓は⾃覚症状が現れにくい「沈黙の臓器」といわれており、健診などでの肝機能検査が重要で、肝臓学会の「奈良宣言2023」ではALT>30 でかかりつけ医受診を推奨しています。
患者さんとご家族のためのNAFLD/NASHガイド2023
食生活や運動習慣を見直すことで、NAFLD/NASHを予防できることがあると説明されています。
以下に引用いたします。
参照・引用先:
国立国際医療研究センター肝炎情報センター「非アルコール性脂肪性肝疾患」
日本肝臓学会「奈良宣言2023」
患者さんとご家族のためのNAFLD/NASHガイド2023(日本消化器病学会、日本肝臓学会)
動脈は、心臓から送り出された血液を全身に運ぶ血管です。酸素や栄養を運ぶ役割を担っており、健常な血管は弾力性があってしなやかですが、加齢やさまざまな危険因子によって硬く、厚く、狭くなります。これが動脈硬化です。血管が閉塞すると、臓器や組織は細胞が壊死を起こし、心臓であれば心筋梗塞を、脳であれば脳梗塞を発症します。
動脈硬化は、加齢・喫煙・脂質異常症・高血圧・飲酒・糖尿病・肥満・睡眠時無呼吸症候群などの危険因子が重なることによって発症しやすくなりますので、食事や運動習慣などを見直し、必要な場合は生活習慣病の適切な治療を継続していくことが大切です。
血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を、脂質異常症といいます。脂質の異常には、LDLコレステロール:LDL-C(いわゆる悪玉コレステロール)、HDLコレステロール:HDL-C(いわゆる善玉コレステロール)、トリグリセライド:TG(中性脂肪)の血中濃度の異常があり、動脈硬化と関連します。
| LDLコレステロール | 140mg/dL以上 | 高LDLコレステロール血症 |
|---|---|---|
| 120〜139mg/dL | 境界域高LDLコレステロール血症** | |
| HDLコレステロール | 40mg/dL未満 | 低HDLコレステロール血症 |
| トリグリセライド | 150mg/dL以上(空腹時採血*) | 高トリグリセライド血症 |
| 175mg/dL以上(随時採血*) | ||
| Non-HDLコレステロール | 170mg/dL以上 | 高non-HDLコレステロール血症 |
| 150〜169mg/dL | 境界域高non-HDLコレステロール血症** |
←脂質異常症診断基準
*基本的に10時間以上の絶食を「空腹時」とします。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可です。空腹時であることが確認できない場合を「随時」とします。
**スクリーニングで境界域高LDL-C血症、境界域高non-HDL-C血症を示した場合は、高リスク病態がないか検討し、治療の必要性を考慮します。

脂質異常症のスクリーニングでは、動脈硬化性疾患リスクに応じたカテゴリー分類として、久山町研究のスコアにもとづく絶対リスクを用いたフローチャートが示されました。
| ①性別 | ポイント |
|---|---|
| 女性 | 0 |
| 男性 | 7 |
| ②収縮期血圧 | ポイント |
|---|---|
| <120 mmHg | 0 |
| 120〜129 mmHg | 1 |
| 130〜139 mmHg | 2 |
| 140〜159 mmHg | 3 |
| 160 mmHg 〜 | 4 |
| ③糖代謝異常(糖尿病は含まない) | ポイント |
|---|---|
| なし | 0 |
| あり | 1 |
| ④血清 LDL-C | ポイント |
|---|---|
| <120 mg/dL | 0 |
| 120〜139 mg/dL | 1 |
| 140〜159 mg/dL | 2 |
| 160 mg/dL 〜 | 3 |
| ⑤血清 HDL-C | ポイント |
|---|---|
| 60 mg/dL 〜 | 0 |
| 40〜59 mg/dL | 1 |
| <40 mg/dL | 2 |
| ⑥喫煙 | ポイント |
|---|---|
| なし | 0 |
| あり | 2 |
注1:過去喫煙者は⑥喫煙はなしとする。
| ①〜⑥のポイント合計 | 点 |
|---|
下の表のポイント合計より年齢階級別の絶対リスクを推計する。
| ポイント合計 | 40〜49歳 | 50〜59歳 | 60〜69歳 | 70〜79歳 |
|---|---|---|---|---|
| 0 | <1.0% | <1.0% | 1.7% | 3.4% |
| 1 | <1.0% | <1.0% | 1.9% | 3.9% |
| 2 | <1.0% | <1.0% | 2.2% | 4.5% |
| 3 | <1.0% | 1.1% | 2.6% | 5.2% |
| 4 | <1.0% | 1.3% | 3.0% | 6.0% |
| 5 | <1.0% | 1.4% | 3.4% | 6.9% |
| 6 | <1.0% | 1.7% | 3.9% | 7.9% |
| 7 | <1.0% | 1.9% | 4.5% | 9.1% |
| 8 | 1.1% | 2.2% | 5.2% | 10.4% |
| 9 | 1.3% | 2.6% | 6.0% | 11.9% |
| 10 | 1.4% | 3.0% | 6.9% | 13.6% |
| 11 | 1.7% | 3.4% | 7.9% | 15.5% |
| 12 | 1.9% | 3.9% | 9.1% | 17.7% |
| 13 | 2.2% | 4.5% | 10.4% | 20.2% |
| 14 | 2.6% | 5.2% | 11.9% | 22.9% |
| 15 | 3.0% | 6.0% | 13.6% | 25.9% |
| 16 | 3.4% | 6.9% | 15.5% | 29.3% |
| 17 | 3.9% | 7.9% | 17.7% | 33.0% |
| 18 | 4.5% | 9.1% | 20.2% | 37.0% |
| 19 | 5.2% | 10.4% | 22.9% | 41.1% |
図3-2 久山町スコアによる動脈硬化性疾患発症予測モデル
久山町スコアによる動脈硬化性疾患発症予測モデル
| 治療方針の原則 | 管理区分 | 脂質管理目標値(mg/dL) | |||
|---|---|---|---|---|---|
| LDL-C | Non-HDL-C | TG | HDL-C | ||
| 一次予防 まず生活習慣の改善を行った後薬物療法の適用を考慮する | 低リスク | <160 | <190 | <150(空腹時) *** <175(随時) | ≧40 |
| 中リスク | <140 | <170 | |||
| 高リスク | <120 <100* | <150 <130* | |||
| 二次予防 生活習慣の是正とともに薬物治療を考慮する | 冠動脈疾患またはアテローム血栓性脳梗塞(明らかなアテローム****を伴うその他の脳梗塞を含む)の既往 | <100 <70** | <130 <100** | ||
* 糖尿病において、PAD、細小血管症(網膜症、腎症、神経障害)合併時、または喫煙ありの場合に考慮する。(第3章5.2参照)
**「急性冠症候群」、「家族性高コレステロール血症」、「糖尿病」、「冠動脈疾患とアテローム血栓性脳梗塞(明らかなアテロームを伴うその他の脳梗塞を含む)」の4病態のいずれかを合併する場合に考慮する。
一次予防における管理目標達成の手段は非薬物療法が基本であるが、いずれの管理区分においてもLDL-Cが180mg/dL以上の場合は薬物治療を考慮する。家族性高コレステロール血症の可能性も念頭に置いておく。(第4章参照)
まずLDL-Cの管理目標値を達成し、次にnon-HDL-Cの達成を目指す。LDL-Cの管理目標を達成してもnon-HDL-Cが高い場合は高TG血症を伴うことが多く、その管理が重要となる。低HDL-Cについては基本的には生活習慣の改善で対処すべきである。
これらの値はあくまでも到達努力目標であり、一次予防(低・中リスク)においてはLDL-C低下率20〜30%も目標値としてなり得る。
***10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。それ以外の条件を「随時」とする。
**** 頭蓋内外動脈の50%以上の狭窄、または弓部大動脈粥腫(最大肥厚 4 mm 以上)
高齢者については第7章を参照。
リスク区分別脂質管理目標値
脂質異常症の治療
一次予防においては原則として3〜6か月間は生活習慣の改善を行ってその効果を評価した後に、薬物療法の適用を検討します。しかしLDL-C 180mg/dL以上が持続する場合は、生活習慣の改善とともに薬物療法を考慮します。
生活習慣の改善として、禁煙、受動喫煙を回避する、多量飲酒を避けることです。また肥満症やメタボリックシンドロームの治療の基本は、生活習慣の改善により、過剰な体重および内臓脂肪を減少させることです。
運動療法として、1日合計30分以上を週3回以上(可能であれば毎日)、または週に150分以上の中等度以上の有酸素運動、またレジスタンス運動(筋力トレーニング)が推奨されます。有酸素運動および身体活動量の増加、座位時間を減らすことは動脈硬化性疾患の予防効果があります。
脂質異常症における食事療法のポイントは以下のとおりです。
| 分 類 | LDL-C | TG | HDL-C | non-HDL-C | 主な一般名 |
|---|---|---|---|---|---|
| スタチン (LDL-C低下作用により層別化して標記) | ↓↓ | ↓ | —〜↑ | ↓↓ | プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン |
| ↓↓↓ | ↓↓↓ | アトルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン | |||
| 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬 | ↓↓ | ↓ | ↑ | ↓↓ | エゼチミブ |
| 陰イオン交換樹脂 | ↓↓ | ↑ | ↑ | ↓↓ | コレスチミド、コレスチラミン |
| プロブコール | ↓ | — | ↓↓ | ↓ | プロブコール |
| PCSK9 阻害薬 | ↓↓↓↓ | ↓〜↓↓ | —〜↑ | ↓↓↓↓ | エボロクマブ |
| MTP 阻害薬 * | ↓↓↓ | ↓↓↓ | ↓ | ↓↓↓ | ロミタピド |
| フィブラート系薬 | ↑〜↓ | ↓↓↓ | ↑↑ | ↓ | ベザフィブラート、フェノフィブラート、クロフィブラート |
| 選択的 PPARα モジュレーター | ↑〜↓ | ↓↓↓ | ↑↑ | ↓ | ペマフィブラート |
| ニコチン酸誘導体 | ↓ | ↓↓ | ↑ | ↓ | ニコモール、ニコチン酸トコフェロール |
| n-3 系多価不飽和脂肪酸 | — | ↓ | — | — | イコサペント酸エチル、オメガ -3 脂肪酸エチル |
* ホモ FH 患者が適応
↓↓↓↓:−50%以上 ↓↓↓:−50〜−30% ↓↓:−20〜−30% ↓:−10〜−20%
↑:10〜20% ↑↑:20〜30% −:−10〜10%
日本動脈硬化学会 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
脂質異常症治療における薬物療法の原則
まずLDL-Cの管理目標値達成を目指した薬物療法を実施します。次にnon-HDL-Cの達成を目指します。
LDL-Cの管理目標を達成してもnon-HDL-Cが高い場合は、高TG血症を伴うことが多く、その管理が重要となります。
低HDL-C血症単独に対する薬物療法の有用性は確認できていないため、基本的に生活習慣の改善で対処するべきです。
冠動脈疾患の二次予防においては、治療開始前のLDL-Cに関わらず、発症早期より最大耐用量のストロングスタチンを第一選択にした薬物療法が推奨されます。
←脂質異常症患者に対する薬物療法で用いられる薬剤は、10のカテゴリーに分類されます。
参照・引用先:
動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2022年版
動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイド2023年版
The Japan Diet(日本動脈硬化学会 )
e-ヘルスネット 脂質異常症、脂質異常症の食事
食事と運動
目標とするBMIの範囲 (「日本人の食事摂取基準(2020年)」厚生労働省より)
| 年齢(歳) | 目標とするBMI(kg/m2) |
|---|---|
| 18~49 | 18.5~24.9 |
| 50~64 | 20.0~24.9 |
| 65~74 | 21.5~24.9 |
| 75以上 | 21.5~24.9 |
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
18.5未満がやせ、18.5以上25未満が標準、25以上が肥満と判定します。
動脈硬化疾患予防のための食事療法(動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版より)
1. 過食に注意し、適正な体重を維持する
・総エネルギー摂取量(kcal/日)は、一般に目標とする体重(kg)×身体活動量(軽い労作で25~30、普通の労作で30~35、重い労作で35~)を目指す。
2. 肉の脂身、動物脂、加工肉、鶏卵の大量摂取を控える
3. 魚の摂取を増やし、低脂肪乳製品を摂取する。
・脂肪エネルギー比率20~25%、飽和脂肪酸エネルギー比率を7%未満、コレストロール摂取量を200mg/日未満に抑える
・n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取を増やす
・トランス脂肪酸の摂取を控える
4. 未精製穀類、緑黄色野菜を含めた野菜、階層、大豆および大豆製品、ナッツ類の摂取量を増やす
・炭水化物エネルギー比率を50~60%とし、食物繊維は25g/日以上の摂取を目標とする
5. 糖質含有量の少ない果物を適度に摂取し、果糖を含む加工食品の大量摂取を控える
6. アルコールの過剰摂取を控え、25g/日以下に抑える
7. 食塩の摂取はg/日未満を目標とする。


睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が何度も止まる、または浅くなることで引き起こされる病気です。無呼吸や低呼吸が繰り返されることで、体内の酸素が不足し、深い眠りが妨げられ、下記のような症状があらわれます。
SASを放置すると以下のような疾患や不具合のリスクが高まる可能性があります
診療内容
① 問診・診察:症状や生活習慣についてお伺いします。
② 簡易検査:睡眠時無呼吸症候群を疑う場合、まず簡易検査から始めます。業者さんからご自宅に届けられる睡眠検査機器(パルスオキシメーターや気流センサー)を用いて、睡眠中の呼吸状態を測定します。普段通りご自宅で寝て行う検査です。
簡易検査の結果は、睡眠1時間当たりの無呼吸と低呼吸の合計回数であるAHI(無呼吸低呼吸指数)という指標をもとにみていきます。(測定方法の微妙な違いから、AHIではなくRDI(呼吸障害指数)と呼ぶことも多いです。)
簡易検査でAHIが40以上、かつ眠気やいびきの症状を伴うなら、明らかに重症なので、CPAPの治療を開始できます。
そして、AHIが5以上など疑わしい結果なら、ポリソムノグラフィをお勧めします。
③ 精密検査:別の医療機関に1泊入院しポリソムノグラフィー(PSG)検査を行い、無呼吸や低呼吸の頻度だけでなく、睡眠の質・深さ、不整脈や他の睡眠障害の有無もわかります。また、筋電図や脳波と組み合わせて、閉塞性と中枢性の区別をつけることができます。閉塞性は喉元が狭くなって無呼吸になるもの。中枢性は脳からの呼吸の指令が上手く出なくて無呼吸になるものです。
睡眠時無呼吸症候群の診断基準は、ポリソムノグラフィでAHIが5以上、かつ日中の眠気などの自覚症状を伴うことです。軽症は5 ≦ AHI < 15、中等症は15 ≦ AHI < 30、重症は30 ≦ AHI。
検査費用の概算
簡易検査:1割負担で約1000円、2割負担で2000円、3割負担で3000円。
ポリソムノグラフィ:1割負担で約9300円、2割負担で18600、3割負担で27900円。
ほか、もろもろの費用でこれに少し上乗せされることになります。
④ 検査結果に基づき、CPAP(シーパップ)療法や生活習慣の改善、口腔内装置(マウスピース)、手術など検討します。
CPAP(持続陽圧呼吸療法)
ポリソムノグラフィでAHIが20以上か簡易検査でAHIが40以上、かつ日中に眠気などを自覚しているケースでは、睡眠中にマスクから一定の圧をくわえた空気を送り込み、上気道の閉塞を防ぐCPAP療法を行います。
この治療の効果としては、
費用は、3割負担で約4500円/月、1割負担で約1500円/月程度です。1~2カ月に1回程度の通院でフォローしていきます。(2か月ごとの通院でも2か月分の料金が必要です。)
CPAP療法では、マスクの種類の交換(鼻を覆うタイプや、口と鼻を覆うタイプ)、空気圧の調整、スイッチを入れてから圧をかけるまでの時間の調整、加湿の設定など、継続して治療効果を上げられるような対策を行います。
口腔内装置(マウスピース)
睡眠中に口腔内装置(マウスピース)をつけて、下顎を前方に固定して気道を確保します。歯科を受診して作成してもらいます。AHIが20未満で、最初に考える治療です。AHIが20以上では、CPAPを継続できない場合に次の選択肢として行います。
女性、若年、痩せ型、AHIが低めの時などに、口腔内装置は効きやすいようです。
手術
アデノイドや扁桃肥大、鼻中隔彎曲症、慢性副鼻腔炎などが原因となっている場合、その原因を改善するための手術が行われることがあります。治療効果は、それぞれの状態によるので、まず専門医に相談していただきます。
SAS改善のための生活習慣アドバイス
体重管理(減量)
肥満は空気の通り道を狭くしてしまいます。特に首回りの脂肪が多いと、睡眠中に気道が閉塞しやすくなります。
アルコールの制限
アルコールは筋肉を弛緩させる作用があり、睡眠中に喉の筋肉がゆるんで気道が閉塞しやすくなります。
禁煙
喫煙は気道の炎症やむくみを引き起こし、空気の通り道を狭くします。また、咳や痰が増えることで睡眠の質も低下します。
睡眠姿勢の工夫(横向き寝推奨)
仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込みやすく、気道がふさがれやすくなります。
生活習慣の改善はすぐには効果が出ませんが、継続することでSASの症状が軽減され、CPAPなどの治療効果も高まります。
睡眠時無呼吸症候群は、放置すると心血管疾患や生活習慣病のリスクが高まる病気です。早期発見・治療が大切です。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
当院におけるインフルエンザについてのよくある質問事項を、厚生労働省「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A)」から抜粋、編集しました。
Q インフルエンザに対する治療薬にはどのようなものがありますか?
当院でのインフルエンザ治療薬は以下の3つです。
発症から48時間以内に治療を開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、鼻やのどからのウイルス排出量も減少します。なお、症状が出てから2日(48時間)以降に服用を開始した場合、十分な効果は期待できません。
バロキサビル マルボキシルについては、一般社団法人日本感染症学会と公益社団法人日本小児科学会が以下の趣旨の提言を出しています。
Q どのくらいの期間外出を控えればよいのでしょうか?
一般的に、インフルエンザ発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出するといわれています。このため、ウイルスを排出している間は、外出を控える必要があります。排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もウイルスを排出するといわれています。排出期間の長さには個人差がありますが、咳やくしゃみ等の症状が続いている場合には、不織布製マスクを着用する等、周りの方へうつさないよう配慮しましょう。
学校保健安全法施行規則では「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」をインフルエンザによる出席停止期間としています(ただし、病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めたときは、この限りではありません)。
(ちなみに新型コロナウイルス感染症では、発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまでが出席停止期間です。)
抗ウイルス薬によって早期に解熱した場合も感染力は残るため、発症した後5日を経過するまでは出席停止です。(学校において予防すべき感染症の解説 令和5年度改訂より)
会社についてインフルエンザによる休む期間を規定した法律はなく、会社の就労規則などで決められていることがあります。
Q 抗インフルエンザウイルス薬の服用後に、転落死を含む異常行動が報告されていると聞きましたが、薬が原因なのでしょうか?
インフルエンザにかかった際は、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無や種類にかかわらず、異常行動が報告されています。
転落等の事故に至るおそれのある重度の異常行動については、就学以降の小児・未成年者の男性で報告が多いこと、発熱から2日間以内に発現することが多いことが知られています。
自宅で療養する場合は、抗インフルエンザウイルス薬の服用の有無や種類によらず、少なくとも発熱から2日間は、保護者等は転落等の事故に対する防止対策を講じて下さい。
Q 急性呼吸器感染症にり患して休んでいた児童生徒等が治ったら、学校には治癒証明書や陰性証明書を提出させる必要がありますか?
児童生徒等がインフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの急性呼吸器感染症に感染し、快復して登校を始める前に、改めて検査を受ける必要はなく、当該児童生徒等が学校に復帰する場合には、治癒証明書や陰性証明書の提出は不要です。
当院で、罹患証明書や登校許可証明の発行には、自費料金で中学生までは550円(税込み)、それ以降の学生は1100円(税込み)かかります。診断書は3850円(税込み)かかります。
インフルエンザ予防投与について
予防投与は保険適応外となり自費診療となります。
費用は診察料+薬代込みで9900円(税込み)で、当院ではオセルタミビル(タミフルの後発品)を扱っています。
予防投与の対象と想定されるのは以下の方です。
〈予防投与の時期〉
インフルエンザウイルス感染症患者に接触後48時間以内に開始する必要があります。
〈予防投与量〉
タミフル:成人 1回75mgを1日1回、7~10日間 内服します。
インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果があるのは、タミフルを連続して服用している期間中とされています。(予防投与を行ってもインフルエンザを発症することがあります。)
薬剤の主な副作用は胃腸障害、蕁麻疹などです。まれに重大な副作用が報告されています。
在庫の確認が必要ですので、お電話でご相談下さい。
在庫切れで、12月29日に入荷します。
オセルタミビル以外の薬をご希望の場合、診察料金+処方箋代で5500円(税込み)で処方箋を発行します。その場合、調剤薬局にてお薬を受けとっていただく際、別途お薬代が必要となります。
(注意)薬剤の添付文書に記載の予防投与の対象者は、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象としています。
高齢者(65歳以上)、慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者、代謝性疾患患者(糖尿病等)、腎機能障害患者です。
ここに該当しない受験生や持病はないが仕事を休められないので内服する場合などは適応外使用ですので、大きな副作用が出た際に、「医薬品副作用被害救済制度」の対象外となり補償が受けられません。
ご予約・お問い合わせ
診察のときにご予約いただくほか、WEBまたはお電話でもご予約いただけます。
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